高木農園のりんごは新しい栽培方法の「高密植わい化栽培」。りんごの木の高さや木の間隔・列の間隔などを見直し、花の開く時期や成長の度合いが早くなりました。だから、糖度が高く最良品質のりんごが栽培できるのです。
その上、全てのりんごは完熟してからの収穫なので、りんご本来のおいしさは濃厚。当地でこの栽培方法に最初に取り組んだ私達の農園へは、多くのりんご農家の皆様が視察にこられるほどで、JA全農長野発行の果樹栽培専門雑誌「信州の果実」にも掲載されました。
完熟した「ふじ」などに見られるりんごの「蜜」は、葉が光合成によって作られたでんぷんを「ソルビトール」と言う糖分に変換したものです。色が蜂蜜ににているところからいつの間にか「りんごの蜜」と呼ばれるようになりました。葉から果実に運ばれる「ソルビトール」ですが、実は「ソルビトール」自体はあまり甘くはありません。蜜が入ったりんごが甘くなるのは、「蜜入りのりんご」は完熟の証で、りんごの果実が糖分で満たされている状態の目印だからです。 さらに、糖分の中でも多く含まれている果糖が砂糖よりも甘いので、より甘く感じると言うわけです。
「蜜」が入りやすい品種と入りにくい品種があり、最も一般的な「ふじ」は蜜が入りますが、「つがる」や「シナノスイート」などの品種には蜜は入りません。
蜜が入りやすい品種 ふじ/北斗/紅玉など
蜜が入りにくい品種 シナノスイート/シナノゴールド/つがる/王林など
りんごを切ってそのままにしておくと、茶色っぽく変色します。これは、りんごの中のポリフェノール物質(エピカテキンなど)が酸化することで起こります。
変色を防ぐには、原因となる「酸化酵素」の働きを抑えなければなりません。そのためには塩水やレモン水、ビタミンC液を使います。それらに浸けることで、Naイオンがエピカテキンの周辺に壁を作り、酸化酵素の働きを抑えることができます。
塩水やレモン水は、りんごの味を損ねないよう薄めのものを使いましょう。
りんごは収穫した後も呼吸をし、水分を発散しています。長く保存していると果肉成分を消耗し、水分が抜けてしまい、やわらかくなって食味が悪くなってしまいます。また、りんごは低温多湿で保存すると長持ちしますが、冷蔵庫の中は乾燥しています。
【ポリ袋に密閉して冷蔵庫に入れる】
りんごの生理作用を抑え水分の蒸発を防ぐため薄手のポリ袋を使います。ビニール袋では酸素が通らず、りんごが窒息して傷んでしまうので、必ずポリ袋を使いましょう。
【冷蔵庫に入りきらない場合】
冷蔵庫に入りきらない場合は、温度変化が少ない、日のあたらない場所に置いておきます。
【長期間保存する場合】
長期間保存する場合は、りんごを新聞紙に包んでからポリ袋に入れます。 これは、りんごの呼吸で出てくる炭酸ガスや水滴を 新聞紙に吸収させるためです。
りんごにはポリフェノール成分が多く含まれていることが分かり、注目を浴びています。ポリフェノールは、糖尿病や肥満、動脈硬化といった生活習慣病の予防や、ガンの予防、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を抑える作用、肌を白くする作用などが知られています。
【ポリフェノールとは?】
ポリフェノールとは、植物が光合成を行うときにできる物質の総称です。植物が持っている物質ですが、人のからだの中に入っても、抗酸化物質として有効に働くことが明らかになっています。 ポリフェノールの主な働きである抗酸化作用は、老化の原因である活性酸素を抑えます。ポリフェノールの数は五千種類以上にも及びます。
【りんごポリフェノールを摂るには】
りんごのポリフェノール成分は、果肉にもありますが、主に皮とその皮下に多くあるので、皮をむかず、そのままの丸かじりが良いかも知れません。